日々雑記 第9話

看護師って実際どうよ?の話
私の前職は看護師でしたが、はっきり言って有能とは言い難く、日々、
とりあえず無事に過ごせれば他に何を求めることはないという仕事ぶりでした。
うっかり大学病院付属の看護学校に入ったため、就職もそこになり、勉強嫌いで
向上心のない私を待っていたのはひたすらの苦痛でした。
週に1回の割合で行われる勉強会は自由参加と言いながら、実はそうではなく、
しかも勤務時間外、つまり給料には含まれない。
貴重な休日をつぶして強制でお勉強、しかもその後、レポートを作成・提出しろときた。
看護研究というものもあります。テーマを決めて論文を書くのです。
これももちろん強制。さすがにこれは、調査・研究の手間を考えると、
全員にというわけにはいかず、一つの病棟から1年に1つ以上、病棟内で看護研究委員を
3・4人選び、これにあたるという決まりでした。
(これは私の勤めていた大学病院の場合。友人の所は病棟から一人代表を立てて
その人が一人でやるとか、また別の友人の所は病院全体から精鋭を選んでチームを作って
これにあたるなど、いろいろパターンはある)
これももちろん勤務時間外で、そしてこれをやったからと言って何の得もない。
だいたい勤務の片手間にやる研究が1年やそこらでものになるかというのが正直な感想です。
聞いた話だからあまり鵜呑みにはできないけれど、アメリカの大病院では看護研究の為の勤務者が
年中それだけをやるのだそうです。
形だけ真似ても実を結ぶわけはないと思うんですがどうでしょうね。

就職して1年は月6回の休みはほとんどこういったことに費やされます。
3年目を過ぎれば多少融通は利くけれど(面倒なことは1・2年めの人に任せるのです。ほほほ)、
そうなったら今度は新人の指導やら何やらがついてくるんですよねー。

ひと月に少なくとも6回以上夜勤をして(友人は平均8回と言っていた)通常の業務をこなし、
勉強会や研究に参加。
熱があろうが吐いていようが仕事は休めず、病棟にいる間一時も緊張はゆるめられない。
事故が起こればつるし上げられ社会で非難される。
それで同じ年の男性の会社員の給料程はもらえない。
ぶっちゃけ言いましょうか?
私はかなり大きな大学病院に勤めていましたが、月6回夜勤して、手取りで22〜23万円
(基本給18万円弱+夜勤手当て等)でした。
金額だけ聞いてたらかなり高い所得だと思うでしょう?
でもね。実際の労働時間は平均、一ヶ月288時間。(残業代はもらえませんでした)時給換算で799円。
国家資格で、人の命を預かって、時給800円にもならないんですよ。
しかも私は高校時代から衛生看護科と言うところに通って、その後高等看護学校に2年通い、
資格を取得しましたからトータル5年勉強して(この学生時代がまた死ぬ程ハード)、これです。

ほーらまったく割に合わない。

看護婦不足は解消するだろうと言われ続けて早何年たったのか。
毎年、看護学校の卒業生はいて、国家試験をパスする人もそれと同じ数くらいいるのに
不足しっぱなしなのは、そういう理由じゃないですか?
「大変だけどやりがいがあります」
その台詞に嘘はないだろうけど、やっぱむくわれないと私は思います。

[日々雑記TOP]

[HOME]