日々雑記 第1話

チカンの話


私はチカンによく遭う。
(今これを書いてて、「あう」を変換したら、この漢字の説明として、
「好ましくないものに遭遇」とあったので使ってみた。)


初めてチカンに遭ったのは中学1年生の時だ。つい最近まで
ランドセルしょってた年齢である。
土曜日の午後、部活が早く終わり田んぼの中の一本道をてくてくと歩いていた。
うららかな冬の午後、周りにはひとかげもなく、空気までのんびりしている。
後ろでキュッと自転車の止まる音がした。田んぼの管理にきた人でもあろうと、
振り向きもしなかったら、次の瞬間、盛大に私の制服のスカートはめくられた。
重たい布地であったので、ザバッという音がした。
驚きで硬直し、次の瞬間振り向いたら、地元では有名な進学校の制服を着た、
どう見ても高校生以上の男子学生。驚きと恐怖で頭は真っ白で声も出ない。
しかし言語中枢は真っ白であったが、恐ろしい新聞の見出しのようなものは次々と浮かぶ。
「白昼堂々女子中学生誘拐」「忘れられた廃屋で女子中学生遺体発見」「痛々しい暴行の跡」
ここでキャーなどと叫んだら、逆上した男に何されるかわからない。
死んだら終わりだ。レイプされても終わりだ。
たとえその手に持ったカメラでパンツの写真1枚や2枚を撮られていたとしてもそれがなんなんだ。
って、なんなのそのカメラは!!いたいけな女子中学生のパンツみるだけならまだしも、
フィルムまで残そうってのか!
この間、わずか2秒足らず。呆然と硬直する私の前から猛然とダッシュで去っていく自転車。
 怒りは後からじわじわと湧いてきて、屈辱という言葉を私はこの時実感したのである。
忘れないぞ!日向学院高校のあのブルーのシャツ!顔は忘れたけどね!(だめじゃん)

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